進化を続ける小さな編み物 くつしたの話

進化を続ける小さな編み物 くつしたの話

進化を続ける小さな編み物 くつしたの話

あなたは今日、どんなくつしたを履いていますか?
毎日当たり前のように身につけるくつしたですが、実はさまざまな工夫やアイデアで、日々進化を続けているアイテムなのだそうです。今回は国内一の生産地である奈良県で、お話を伺ってきました。

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くつしたには、
“足への気配り”が
詰まっている。

くつしたは、表糸と裏糸、性質の違う2種類以上の糸を編んで作る、小さな「編み物」です。表糸は人の目に触れるのに適した糸、裏糸は伸縮性のある糸、また肌触りを考えた糸なども使用。出っ張ったかかとや、平たいつま先、足首やふくらはぎなど、複雑な形状の足を包み、体重や摩擦から守っています。機能性やファッション性も、くつしたを語る上で欠かせません。

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わたしたちの足のために、快適さ、機能性を追求

フットケアの観点から、近年は季節や用途に合わせて、冷えから守る、ニオイを抑える、編み地の圧で血行を促すなど、機能性を追求した新商品が次々と開発されています。

足元、楽しく軽やかに。くつしたはコーディネートのスパイス

色や柄、編み方、素材など多種多様な選択肢で、おしゃれの冒険ができるのも魅力のひとつ。トレンドに合わせた新デザインが、日々誕生しています。

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小さな一足にたくさんの工夫

くつしたの製造工程

くつしたの製造工程は独特です。商品ごとに細かな作業や検査工程があり、機械で編む以外にもたくさんの手仕事が欠かせません。各社が独自のノウハウを活かし、個性豊かで高品質な商品を生み出しています。

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くつした専用機での
「編み立て」

くつしたは、専用の円筒状の編み機で、履き口からかかと、つま先までをひとつながりに成形しながら編まれます。つま先部分は最後に縫い合わせます。

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どう編んでいくか、デザインや特徴をデータ化し編み機を設定し、複数の糸をセット。職人の経験がものをいう重要な作業です。

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円筒状の編み機が、糸をら旋状に編んでいきます。編み目や段数の工夫が、足へのフィット感を生み出します。

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つま先は、表側の見た目だけでなく直接肌に触れる裏側も大切。縫い目に段差が出ないよう、工夫が凝らされています。

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”ずり落ちない“、”跡がつかない“などゴム部分の進化も、素材や編み立ての技術によるものです。

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職人の分業による
「検品」

ここでは人の目や手作業が頼りに。表も裏も細かな縫い目も、ひとつひとつ入念にチェック。小さな製品だからこその気配り目配りは、製造工程のあらゆるところで見られます。

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回転式の板にくつしたをかぶせて、つま先の縫製不良や、編み地の不具合がないかを、目視でチェック。

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余分な糸やゴムは、はさみでカット。スピードと繊細さが必要な、手作業でしかできない工程です。

3 フォルムと編み地を整える「セット」

ふにゃっとした状態のくつしたを金属製の型板へ、丈を揃えながら素早く装着し、圧力のかかった高熱の蒸気の釜へ。この後、左右をペアリングします。   

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4 再び検品、出荷!

くつしたは出荷までに繰り返し検品されます。ラベル付けや品質シールの貼り付け、種類ごとの間違いがないか、万が一のための検針も行い、ようやく出荷です。

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アイデア満載、魅力いっぱい!いろいろなくつした

くちゴムのないソックス 医療用ストッキング 5本指ソックス スポーツソックス 保湿性の高いソックス 超薄ハイゲージソックス

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時代を映し出す、くつしたの流行 畿央大学 健康科学部 人間環境デザイン学科 准教授 村田浩子さん

時代を映し出す、くつしたの流行 畿央大学 健康科学部 人間環境デザイン学科 准教授 村田浩子さん

時代を映し出す、くつしたの流行 畿央大学 健康科学部 人間環境デザイン学科 准教授 村田浩子さん

日本で最初にくつしたを履いたのは、好奇心旺盛な徳川光圀であったと言われています。明治に編み立て機が輸入され、昭和に一般人の洋装化が進むにつれ、靴とともにくつしたも一般化。その時代ならではの流行も現れるようになりました。1990年代に若い世代を席巻したルーズソックスや、最近では丈の短いスニーカーソックスやフットカバーなど、今やくつしたはコーディネートに欠かせないファッションアイテムです。ここ奈良県では、連綿と続く確かな技術で、新しいアイデアやデザインを次々とカタチにしています。

くつしたのお手入れ 履いては洗い、また履いて…をくり返す、日用品でもあるくつしたは、お手入れのときにちょっぴり気をつかうだけで長持ちし、ニオイ悩みなども軽減します。

くつしたのお手入れ 履いては洗い、また履いて…をくり返す、日用品でもあるくつしたは、お手入れのときにちょっぴり気をつかうだけで長持ちし、ニオイ悩みなども軽減します。

くつしたのお手入れ 履いては洗い、また履いて…をくり返す、日用品でもあるくつしたは、お手入れのときにちょっぴり気をつかうだけで長持ちし、ニオイ悩みなども軽減します。

point 1 洗たくは裏返して

垢や皮脂汚れが付着するのは、肌に触れる裏側。裏返して洗えば、より汚れが落ちやすくなります。

point 2 干すときは履き口側を留めて

爪のこすれでダメージを受けやすいつま先側ではなく、履き口をピンチで留めるのがオススメ。

point 3 デリケートなモノはネットに

デリケートな素材や刺しゅうのあるソックス、ストッキングなどは、ネットに入れてダメージを予防。

まず、素材や取り扱い方法をチェック!
品質表示や取り扱い方法は、くつしたを留めている紙や札に記されています。素材名は、混用率の大きいものから順番に並びます。洗たく表示と併せて、使い始めのときに一度読んでおくと安心です。

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触って、感じて、くつしたの進化。

「くつしたは売り場では試着できないアイテム、だからこそ触って肌触りを感じて選んでほしい」と作り手の方々はおっしゃいます。昔に比べてくつしたは格段に進化してきました。例えば、触って心地よいと感じるくつしたは裏までキチンと心配りされているはず。くつしたを選ぶとき、そんなことも思い出してみてくださいね。

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SPECIAL THANKS ご協力いただいたみなさま

創意工夫、チャレンジ精神で、くつした作りに取り組む。
日本を代表する生産地、奈良県のくつした産業に関わるみなさまです。

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吉谷靴下株式会社
代表取締役社長 吉谷浩一さん


糸の入荷から製品の出荷までをトータルで行い、細やかなこだわりと提案力でさまざまなブランド商品に関わる。くちゴムのないソックスなども開発。

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昌和莫大小株式会社
代表取締役 井上克昭さん


デザイン性の高いレッグウェア生産のほか、体の問題に向き合った「はだし靴下」などユニークな製品を開発。高機能なオリジナルブランド「OLENO」を展開。

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河村繊維株式会社
代表取締役社長 河村圭三さん


ストッキング、着圧ソックス、医療用ストッキングを中心に、高機能商品を企画、開発。確かな技術、美と健康をテーマにくつしたの新しい可能性を切り拓く。

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今西靴下株式会社
代表取締役社長 今西邦樹さん


独自の3層編み改造機を活かし、履き心地にとことんこだわった「はいてしあわせになるくつした」作り。オリジナルブランド「Caqueco(カケッコ)」も人気。

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奈良県靴下工業協同組合 
事務局長 砂山七郎さん


「靴下ソムリエ」資格認定制度の創設にもたずさわるスペシャリスト。官民をつなぎながら、くつしたの価値や魅力を広く発信。

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広陵町 事業部 地域振興課 課長 兼
農業委員会事務局長 栗山ゆかりさん


くつした製造が主要地場産業の広陵町で、地域振興のために精力的に活動。毎年開催される「靴下の市」は多くの来場者で賑わう。

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2020年4月掲載

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