暮らし百景アーカイブ126

らっきょうの午後。さっきから一人、らっきょうの皮をむいている。黙々とむいている。指先にはらっきょうの薄皮がはりついて、匂いが強く染みついている。この春引っ越してきたばかりの町。これといった用事もない週末は「探検」と称して近所を散策している。そしてたまたま通りかかった青果店の店先にらっきょうの山を見つけたのだ。思わず「ひと山ください」。らっきょうなんて買ったこともなかったのに。外側の少し硬めの皮と、実を包むやわらかな薄皮を、指先でやさしくはがす。すると、はっとするほど白い実があらわれる。発光しているかのように白い。そういえば子供の頃、父とイイダコ釣りに行った。餌はなんと、らっきょう。らっきょうが好物というのではない。イイダコはただただ、海の中の白い光に惹かれてしまうのだそうだ。ようやく皮をむき終え、スマホで調べた通りにお酢やお砂糖を煮立てて、合わせる。甘酢漬けだ。らっきょうは、瓶の中で静かな光を発している。と、ここで私は我に返る。こんなに大量に、一人で食べきれるのかな。と。らっきょうが好物というのではない。ただ、その白い実に惹かれてしまった。イイダコみたいだな、と笑った。

らっきょうの午後。さっきから一人、らっきょうの皮をむいている。黙々とむいている。指先にはらっきょうの薄皮がはりついて、匂いが強く染みついている。この春引っ越してきたばかりの町。これといった用事もない週末は「探検」と称して近所を散策している。そしてたまたま通りかかった青果店の店先にらっきょうの山を見つけたのだ。思わず「ひと山ください」。らっきょうなんて買ったこともなかったのに。外側の少し硬めの皮と、実を包むやわらかな薄皮を、指先でやさしくはがす。すると、はっとするほど白い実があらわれる。発光しているかのように白い。そういえば子供の頃、父とイイダコ釣りに行った。餌はなんと、らっきょう。らっきょうが好物というのではない。イイダコはただただ、海の中の白い光に惹かれてしまうのだそうだ。ようやく皮をむき終え、スマホで調べた通りにお酢やお砂糖を煮立てて、合わせる。甘酢漬けだ。らっきょうは、瓶の中で静かな光を発している。と、ここで私は我に返る。こんなに大量に、一人で食べきれるのかな。と。らっきょうが好物というのではない。ただ、その白い実に惹かれてしまった。イイダコみたいだな、と笑った。

らっきょうの午後。さっきから一人、らっきょうの皮をむいている。黙々とむいている。指先にはらっきょうの薄皮がはりついて、匂いが強く染みついている。この春引っ越してきたばかりの町。これといった用事もない週末は「探検」と称して近所を散策している。そしてたまたま通りかかった青果店の店先にらっきょうの山を見つけたのだ。思わず「ひと山ください」。らっきょうなんて買ったこともなかったのに。外側の少し硬めの皮と、実を包むやわらかな薄皮を、指先でやさしくはがす。すると、はっとするほど白い実があらわれる。発光しているかのように白い。そういえば子供の頃、父とイイダコ釣りに行った。餌はなんと、らっきょう。らっきょうが好物というのではない。イイダコはただただ、海の中の白い光に惹かれてしまうのだそうだ。ようやく皮をむき終え、スマホで調べた通りにお酢やお砂糖を煮立てて、合わせる。甘酢漬けだ。らっきょうは、瓶の中で静かな光を発している。と、ここで私は我に返る。こんなに大量に、一人で食べきれるのかな。と。らっきょうが好物というのではない。ただ、その白い実に惹かれてしまった。イイダコみたいだな、と笑った。

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