暮らし百景アーカイブ121

おひめさまの小部屋。姉の家に遊びに行った帰り道。「結衣も小学生になるし、そろそろあの六畳をこども部屋にした方がよいかしら」電車に揺られながら、妻がつぶやいた。結衣より二つ年上の姪っ子、奈々には自室が与えられていた。「ま、まだ早いんじゃないか」平静を装ったつもりだったが、声がうわずる。妻、娘、私。川の字で寝ているベッドを思い浮かべる。お風呂上り、妻と同じシャンプーの香りがするやわらかい髪に触れて、その日あったたわいない話を聞くのが、私の楽しみなのだ。こんなに早く、終わってしまうなんて…。「ほら、自立心を養うのにもいいって。宿題とか学校の準備とかいずれ一人でできるようになってほしいし。それにあの子の表情見た?」確かに、奈々の部屋に入った結衣は明らかに様子が違った。クリーム色の壁紙、ピンクのクッション、ベッドにはうさぎのぬいぐるみとジュエリーボックス。クローゼットにかけられたワンピース。初めて見るその光景に、「わあ、おひめさまみたい」と目をキラキラさせながら歓声をあげた。しばらく言葉を探していると、さっきまで私の膝にもたれて寝ていた結衣が目をこすりながら「パパお風呂のあと本よんで。おっきいネズミさんがでてくるやつ」そんな本あったかな、と思いながら、今晩はいつもより気持ちをこめてよもう。そう心に決めた。

おひめさまの小部屋。姉の家に遊びに行った帰り道。「結衣も小学生になるし、そろそろあの六畳をこども部屋にした方がよいかしら」電車に揺られながら、妻がつぶやいた。結衣より二つ年上の姪っ子、奈々には自室が与えられていた。「ま、まだ早いんじゃないか」平静を装ったつもりだったが、声がうわずる。妻、娘、私。川の字で寝ているベッドを思い浮かべる。お風呂上り、妻と同じシャンプーの香りがするやわらかい髪に触れて、その日あったたわいない話を聞くのが、私の楽しみなのだ。こんなに早く、終わってしまうなんて…。「ほら、自立心を養うのにもいいって。宿題とか学校の準備とかいずれ一人でできるようになってほしいし。それにあの子の表情見た?」確かに、奈々の部屋に入った結衣は明らかに様子が違った。クリーム色の壁紙、ピンクのクッション、ベッドにはうさぎのぬいぐるみとジュエリーボックス。クローゼットにかけられたワンピース。初めて見るその光景に、「わあ、おひめさまみたい」と目をキラキラさせながら歓声をあげた。しばらく言葉を探していると、さっきまで私の膝にもたれて寝ていた結衣が目をこすりながら「パパお風呂のあと本よんで。おっきいネズミさんがでてくるやつ」そんな本あったかな、と思いながら、今晩はいつもより気持ちをこめてよもう。そう心に決めた。

おひめさまの小部屋。姉の家に遊びに行った帰り道。「結衣も小学生になるし、そろそろあの六畳をこども部屋にした方がよいかしら」電車に揺られながら、妻がつぶやいた。結衣より二つ年上の姪っ子、奈々には自室が与えられていた。「ま、まだ早いんじゃないか」平静を装ったつもりだったが、声がうわずる。妻、娘、私。川の字で寝ているベッドを思い浮かべる。お風呂上り、妻と同じシャンプーの香りがするやわらかい髪に触れて、その日あったたわいない話を聞くのが、私の楽しみなのだ。こんなに早く、終わってしまうなんて…。「ほら、自立心を養うのにもいいって。宿題とか学校の準備とかいずれ一人でできるようになってほしいし。それにあの子の表情見た?」確かに、奈々の部屋に入った結衣は明らかに様子が違った。クリーム色の壁紙、ピンクのクッション、ベッドにはうさぎのぬいぐるみとジュエリーボックス。クローゼットにかけられたワンピース。初めて見るその光景に、「わあ、おひめさまみたい」と目をキラキラさせながら歓声をあげた。しばらく言葉を探していると、さっきまで私の膝にもたれて寝ていた結衣が目をこすりながら「パパお風呂のあと本よんで。おっきいネズミさんがでてくるやつ」そんな本あったかな、と思いながら、今晩はいつもより気持ちをこめてよもう。そう心に決めた。

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