暮らし百景アーカイブ106

次の約束。「なんだ、変わらないな」僕の顔を見るなり挨拶代わりにそう言った旧友も、あの頃と変わらないように見えた。東京から新幹線で西へ約2時間、出張先がYという街だと知ったとき、真っ先に思い浮かんだのは大学時代の友人だった。さっそく連絡をとり、仕事終わりに会おうと約束したのだ。ええっと、卒業以来だから14年…、いや、15年ぶりか。連れられて入ったバーでグラスを合わせて、会わずに過ぎた年月を二人で数える。仕事はどうよ。へえ、相変わらずギターは弾いてるんだな。そういえばあのバンド、8年ぶりにアルバム出すらしいよ。毎朝、息子を保育園に送っててさ。ゼミが一緒だったあいつ、なにしてんだっけ。話はとりとめなく次々ところがって、夜が更けていく。どんな再会になるんだろうと思っていたけれど、うわ!久しぶり!と感情が高ぶるわけでも、追憶に耽るでもなく、まるで先週も会ったかのような会話。けれど違和感はなく、しっくりと自然だった。きっとそれは、笑ったり、悔しがったり、ときには悩みを吐露したり、同じ場所で共に濃い時間を過ごしたからなのかもしれないな、と思う。「じゃ、また」「おう」毎日顔を合わせていたときと同じように手をあげて、別れた。次の約束はない。できないというよりも敢えてしないほうが、距離や時間を越えた僕らの関係が連綿と続くことの約束のように思えた。ホテルに向かって歩きはじめたら、やわらかな春の風がそっと頬をなでた。

次の約束。「なんだ、変わらないな」僕の顔を見るなり挨拶代わりにそう言った旧友も、あの頃と変わらないように見えた。東京から新幹線で西へ約2時間、出張先がYという街だと知ったとき、真っ先に思い浮かんだのは大学時代の友人だった。さっそく連絡をとり、仕事終わりに会おうと約束したのだ。ええっと、卒業以来だから14年…、いや、15年ぶりか。連れられて入ったバーでグラスを合わせて、会わずに過ぎた年月を二人で数える。仕事はどうよ。へえ、相変わらずギターは弾いてるんだな。そういえばあのバンド、8年ぶりにアルバム出すらしいよ。毎朝、息子を保育園に送っててさ。ゼミが一緒だったあいつ、なにしてんだっけ。話はとりとめなく次々ところがって、夜が更けていく。どんな再会になるんだろうと思っていたけれど、うわ!久しぶり!と感情が高ぶるわけでも、追憶に耽るでもなく、まるで先週も会ったかのような会話。けれど違和感はなく、しっくりと自然だった。きっとそれは、笑ったり、悔しがったり、ときには悩みを吐露したり、同じ場所で共に濃い時間を過ごしたからなのかもしれないな、と思う。「じゃ、また」「おう」毎日顔を合わせていたときと同じように手をあげて、別れた。次の約束はない。できないというよりも敢えてしないほうが、距離や時間を越えた僕らの関係が連綿と続くことの約束のように思えた。ホテルに向かって歩きはじめたら、やわらかな春の風がそっと頬をなでた。

次の約束。「なんだ、変わらないな」僕の顔を見るなり挨拶代わりにそう言った旧友も、あの頃と変わらないように見えた。東京から新幹線で西へ約2時間、出張先がYという街だと知ったとき、真っ先に思い浮かんだのは大学時代の友人だった。さっそく連絡をとり、仕事終わりに会おうと約束したのだ。ええっと、卒業以来だから14年…、いや、15年ぶりか。連れられて入ったバーでグラスを合わせて、会わずに過ぎた年月を二人で数える。仕事はどうよ。へえ、相変わらずギターは弾いてるんだな。そういえばあのバンド、8年ぶりにアルバム出すらしいよ。毎朝、息子を保育園に送っててさ。ゼミが一緒だったあいつ、なにしてんだっけ。話はとりとめなく次々ところがって、夜が更けていく。どんな再会になるんだろうと思っていたけれど、うわ!久しぶり!と感情が高ぶるわけでも、追憶に耽るでもなく、まるで先週も会ったかのような会話。けれど違和感はなく、しっくりと自然だった。きっとそれは、笑ったり、悔しがったり、ときには悩みを吐露したり、同じ場所で共に濃い時間を過ごしたからなのかもしれないな、と思う。「じゃ、また」「おう」毎日顔を合わせていたときと同じように手をあげて、別れた。次の約束はない。できないというよりも敢えてしないほうが、距離や時間を越えた僕らの関係が連綿と続くことの約束のように思えた。ホテルに向かって歩きはじめたら、やわらかな春の風がそっと頬をなでた。

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