暮らし百景アーカイブ70

父、趣味を持つ。もうすぐ父の日だ。故郷に住む父に何を贈るかは、毎年悩みどころだ。何も思い浮かばず、仕事の忙しさにかまけ、結局何もしなかったことは一度や二度ではない。母の日なら、お菓子、花、小物と選ぶ物に困らない。母親とは、何かと近況を知らせてくるもので、息子は自然と母の日常を知ることができる。対するに、父のことはよく知らない。実家を出て二十年の月日が、父の現在を一層想像し難くさせている。仕事一筋。他は何にいそしんでいるのか。無口な父には、ゴロ寝と、散歩している姿しか浮かばない。そんな父にも、定年をきっかけに、やっと趣味らしい趣味ができた。「俳句のサークルに入ったのよ。あの人が俳句なんてねぇ」と、情報源はこれも母だったが、筋がいいと先生に褒められ、のめりこんでいるらしい。『花を待つ 心いつしか 旅心』春に詠んだ父の句だという。あの風貌と似合わない、瑞々しい感情に触れて、おおっと思った。そして、父の心の声まで聞いたように感じた。「それで、今度俳句のネタ探しにと、一緒に旅行へと誘われたのよ。お父さん、どんな風の吹き回しかしら」おや、母も父の趣味に乗じて楽しんでいる様子。では、今年の父の日は、俳句を書き留める、ちょっといい句帳を贈ってみようか。

父、趣味を持つ。もうすぐ父の日だ。故郷に住む父に何を贈るかは、毎年悩みどころだ。何も思い浮かばず、仕事の忙しさにかまけ、結局何もしなかったことは一度や二度ではない。母の日なら、お菓子、花、小物と選ぶ物に困らない。母親とは、何かと近況を知らせてくるもので、息子は自然と母の日常を知ることができる。対するに、父のことはよく知らない。実家を出て二十年の月日が、父の現在を一層想像し難くさせている。仕事一筋。他は何にいそしんでいるのか。無口な父には、ゴロ寝と、散歩している姿しか浮かばない。そんな父にも、定年をきっかけに、やっと趣味らしい趣味ができた。「俳句のサークルに入ったのよ。あの人が俳句なんてねぇ」と、情報源はこれも母だったが、筋がいいと先生に褒められ、のめりこんでいるらしい。『花を待つ 心いつしか 旅心』春に詠んだ父の句だという。あの風貌と似合わない、瑞々しい感情に触れて、おおっと思った。そして、父の心の声まで聞いたように感じた。「それで、今度俳句のネタ探しにと、一緒に旅行へと誘われたのよ。お父さん、どんな風の吹き回しかしら」おや、母も父の趣味に乗じて楽しんでいる様子。では、今年の父の日は、俳句を書き留める、ちょっといい句帳を贈ってみようか。

父、趣味を持つ。もうすぐ父の日だ。故郷に住む父に何を贈るかは、毎年悩みどころだ。何も思い浮かばず、仕事の忙しさにかまけ、結局何もしなかったことは一度や二度ではない。母の日なら、お菓子、花、小物と選ぶ物に困らない。母親とは、何かと近況を知らせてくるもので、息子は自然と母の日常を知ることができる。対するに、父のことはよく知らない。実家を出て二十年の月日が、父の現在を一層想像し難くさせている。仕事一筋。他は何にいそしんでいるのか。無口な父には、ゴロ寝と、散歩している姿しか浮かばない。そんな父にも、定年をきっかけに、やっと趣味らしい趣味ができた。「俳句のサークルに入ったのよ。あの人が俳句なんてねぇ」と、情報源はこれも母だったが、筋がいいと先生に褒められ、のめりこんでいるらしい。『花を待つ 心いつしか 旅心』春に詠んだ父の句だという。あの風貌と似合わない、瑞々しい感情に触れて、おおっと思った。そして、父の心の声まで聞いたように感じた。「それで、今度俳句のネタ探しにと、一緒に旅行へと誘われたのよ。お父さん、どんな風の吹き回しかしら」おや、母も父の趣味に乗じて楽しんでいる様子。では、今年の父の日は、俳句を書き留める、ちょっといい句帳を贈ってみようか。

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