暮らし百景アーカイブ11

バレンタイン・イブ。仕事から帰ると、あれ?いつもならテレビにかじりついている六年生の娘が、食卓に向かって何やら熱心だ。妻は意味ありげにニコニコしている。夢中になっていたのは、チョコレート削り。後で湯煎して、小さなハート型にするのだという。なるほど、明日はバレンタインデーか。それにしても、山のように削って。去年までは、俺と先生だけだったのに。そういえば、この前、「ヤマダ」とかいう男の子が電話をかけてきたな。つまらない嫉妬をしながら、チョコレートづくりに占領された食卓の隅で、自分は小さく夕食をとる羽目になった。風呂から上がると、娘がニヤニヤしながら、「これ、お父さんに。」カラフルな粒々をまとったひと口大のチョコが三つ。そうか、やっぱり俺のためにな…。いやはや、娘の手づくりチョコは感動だ。「ねえ、食べてみて。」「もったいないから、明日な。」「いいから、食べて。」じゃあ、と口にすると、「三つとも」だと言う。「ねえ、どれが一番美味しい?」「そうだな、ホワイトチョコのかな。」「じゃ、山田くんのはこれにしよう。」やっぱり「ヤマダ」だったのか。俺は、お味見かい。妻と娘は、お父さんはお役御免、とばかりに別の部屋へ。チョコの包装に取りかかったようだ。「お〜い。片づけは誰がするんだ〜。」

バレンタイン・イブ。仕事から帰ると、あれ?いつもならテレビにかじりついている六年生の娘が、食卓に向かって何やら熱心だ。妻は意味ありげにニコニコしている。夢中になっていたのは、チョコレート削り。後で湯煎して、小さなハート型にするのだという。なるほど、明日はバレンタインデーか。それにしても、山のように削って。去年までは、俺と先生だけだったのに。そういえば、この前、「ヤマダ」とかいう男の子が電話をかけてきたな。つまらない嫉妬をしながら、チョコレートづくりに占領された食卓の隅で、自分は小さく夕食をとる羽目になった。風呂から上がると、娘がニヤニヤしながら、「これ、お父さんに。」カラフルな粒々をまとったひと口大のチョコが三つ。そうか、やっぱり俺のためにな…。いやはや、娘の手づくりチョコは感動だ。「ねえ、食べてみて。」「もったいないから、明日な。」「いいから、食べて。」じゃあ、と口にすると、「三つとも」だと言う。「ねえ、どれが一番美味しい?」「そうだな、ホワイトチョコのかな。」「じゃ、山田くんのはこれにしよう。」やっぱり「ヤマダ」だったのか。俺は、お味見かい。妻と娘は、お父さんはお役御免、とばかりに別の部屋へ。チョコの包装に取りかかったようだ。「お〜い。片づけは誰がするんだ〜。」

バレンタイン・イブ。仕事から帰ると、あれ?いつもならテレビにかじりついている六年生の娘が、食卓に向かって何やら熱心だ。妻は意味ありげにニコニコしている。夢中になっていたのは、チョコレート削り。後で湯煎して、小さなハート型にするのだという。なるほど、明日はバレンタインデーか。それにしても、山のように削って。去年までは、俺と先生だけだったのに。そういえば、この前、「ヤマダ」とかいう男の子が電話をかけてきたな。つまらない嫉妬をしながら、チョコレートづくりに占領された食卓の隅で、自分は小さく夕食をとる羽目になった。風呂から上がると、娘がニヤニヤしながら、「これ、お父さんに。」カラフルな粒々をまとったひと口大のチョコが三つ。そうか、やっぱり俺のためにな…。いやはや、娘の手づくりチョコは感動だ。「ねえ、食べてみて。」「もったいないから、明日な。」「いいから、食べて。」じゃあ、と口にすると、「三つとも」だと言う。「ねえ、どれが一番美味しい?」「そうだな、ホワイトチョコのかな。」「じゃ、山田くんのはこれにしよう。」やっぱり「ヤマダ」だったのか。俺は、お味見かい。妻と娘は、お父さんはお役御免、とばかりに別の部屋へ。チョコの包装に取りかかったようだ。「お〜い。片づけは誰がするんだ〜。」

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