暮らし百景アーカイブ3

雨天祈願。「お父さんのウソつき!」と怒るだろうか、それとも「絶対来るって言ってたのに」と泣き出すだろうか。 ところが娘は一瞬顔を曇らせたあと、ニコッと笑って言った。「お仕事じゃ仕方ないもんね。気にしなくていいよ」 明日の日曜日は、四年生になる娘の運動会だ。私は仕事柄、休日に出勤することも珍しくない。それで去年の運動会も(たしか学芸会もだ)行ってやれなかった。 それだけに、今年は見にいくぞと言った時、娘は本当に嬉しそうだった。 練習で毎日まっ黒だったという体操着(かなりハリキッテいたらしい)は、明日のためにまっ白に洗濯されて、ソファの上に折りたたまれている。 そう、今年は間違いなく行けるはずだったのだ。春からの大きな仕事は一段落したところだし、自分なりに最適のスケジュール調整をして、明日は空けておいたのだ。 それが夕方同僚からかかってきた一本のありがたい電話(勿論彼が悪いのではないが)で、明日朝八時、運動会が始まる頃には、私は出張の新幹線に乗っていることになった。 妻によると、娘はこの一週間、何度となく「お父さん、来れるよね、ね」と確認していたらしい。 その娘が、さっきは精いっぱい私を気遣ったのか……。 ぼんやりと窓から空を見上げながら、「雨が降れば一週間延期か。そうすれば……」などと考えた。ほんの数時間前まで、明日の晴天を願っていたのだが。

雨天祈願。「お父さんのウソつき!」と怒るだろうか、それとも「絶対来るって言ってたのに」と泣き出すだろうか。 ところが娘は一瞬顔を曇らせたあと、ニコッと笑って言った。「お仕事じゃ仕方ないもんね。気にしなくていいよ」 明日の日曜日は、四年生になる娘の運動会だ。私は仕事柄、休日に出勤することも珍しくない。それで去年の運動会も(たしか学芸会もだ)行ってやれなかった。 それだけに、今年は見にいくぞと言った時、娘は本当に嬉しそうだった。 練習で毎日まっ黒だったという体操着(かなりハリキッテいたらしい)は、明日のためにまっ白に洗濯されて、ソファの上に折りたたまれている。 そう、今年は間違いなく行けるはずだったのだ。春からの大きな仕事は一段落したところだし、自分なりに最適のスケジュール調整をして、明日は空けておいたのだ。 それが夕方同僚からかかってきた一本のありがたい電話(勿論彼が悪いのではないが)で、明日朝八時、運動会が始まる頃には、私は出張の新幹線に乗っていることになった。 妻によると、娘はこの一週間、何度となく「お父さん、来れるよね、ね」と確認していたらしい。 その娘が、さっきは精いっぱい私を気遣ったのか……。 ぼんやりと窓から空を見上げながら、「雨が降れば一週間延期か。そうすれば……」などと考えた。ほんの数時間前まで、明日の晴天を願っていたのだが。

雨天祈願。「お父さんのウソつき!」と怒るだろうか、それとも「絶対来るって言ってたのに」と泣き出すだろうか。 ところが娘は一瞬顔を曇らせたあと、ニコッと笑って言った。「お仕事じゃ仕方ないもんね。気にしなくていいよ」 明日の日曜日は、四年生になる娘の運動会だ。私は仕事柄、休日に出勤することも珍しくない。それで去年の運動会も(たしか学芸会もだ)行ってやれなかった。 それだけに、今年は見にいくぞと言った時、娘は本当に嬉しそうだった。 練習で毎日まっ黒だったという体操着(かなりハリキッテいたらしい)は、明日のためにまっ白に洗濯されて、ソファの上に折りたたまれている。 そう、今年は間違いなく行けるはずだったのだ。春からの大きな仕事は一段落したところだし、自分なりに最適のスケジュール調整をして、明日は空けておいたのだ。 それが夕方同僚からかかってきた一本のありがたい電話(勿論彼が悪いのではないが)で、明日朝八時、運動会が始まる頃には、私は出張の新幹線に乗っていることになった。 妻によると、娘はこの一週間、何度となく「お父さん、来れるよね、ね」と確認していたらしい。 その娘が、さっきは精いっぱい私を気遣ったのか……。 ぼんやりと窓から空を見上げながら、「雨が降れば一週間延期か。そうすれば……」などと考えた。ほんの数時間前まで、明日の晴天を願っていたのだが。

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