august|8月 葉月 記憶の中の香り 竹ござの香り

august|8月 葉月 記憶の中の香り 竹ござの香り

august|8月 葉月 記憶の中の香り 竹ござの香り

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うだるような暑さの日が続く――。
「どうして大人の夏休みは短いのだろう?」と、文句ばかりを口にしては気が
滅入る。そこで、少しでも夏を楽しもうと、ネット通販で竹ござを注文した。

子どもの頃の夏休み、午前中はプールで思いっきり遊んで帰宅。
昼食に祖母の特製カレーを食べたら、縁側に竹ござを持っていって、そこで
ゴロン。青々とした竹の香りに包まれながら、お昼寝するのが日課だった。
ひんやりとした竹に身を任せ、目を覚ませば、ほっぺたにくっきりと竹の跡。
縦に線が入った私の顔を見て、祖母が笑う。
私も頬に手をあて、けらけらと笑った。

ピンポーン。
自宅のインターホンが鳴った。届いた商品をすぐに開封し、私はそっと鼻を近
づけてみる。ふわりと漂う青々しい匂いは、幸せの香りがした。

投稿:まるんさん 執筆:ライター/脚本家 赤坂匡介

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