june|6月 水無月 記憶の中の香り 体育館の香り

june|6月 水無月 記憶の中の香り 体育館の香り

june|6月 水無月 記憶の中の香り 体育館の香り

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就職を機に、大好きだったバスケをやめた。

得意だったのはレイアップシュート。ドリブルでゴールへ切り込み、ボールを
空中に置いてくる。パサっというゴール音は、何度聞いても私を高揚させた。

学生時代は毎日バスケばかりしていた。だから体育館には、私の青春が詰
まっている。特に梅雨の時期、湿気で汗やらゴムやらの匂いが充満した館内
は、ボールの音がよく響く。その中でする練習が好きだった。

ふと、あの香りが恋しくなって、社会人3年目にバスケを再開。
鉄製のドアを開け、久しぶりに体育館に入ると、
もわっとした独特な香りが私を迎えてくれた。

ボールを持った私は、自然とドリブルしながらゴールへと駆け出す。
ジャンプして、ボールを空中に置いてくる。パサッと音がして、私は床に着地
する。と同時に、ふわっと“あの頃と同じ”青春の香りが漂った。

「おかえり」と言われた気がして、私は思わず「ただいま」と口にしていた。

投稿:えぃみぃさん 執筆:ライター/脚本家 赤坂匡介

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