april|4月 卯月 記憶の中の香り 新しい鉛筆の香り

april|4月 卯月 記憶の中の香り 新しい鉛筆の香り

april|4月 卯月 記憶の中の香り 新しい鉛筆の香り

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鉛筆削りのハンドルを回すと
カリッ、カリッと小気味いい音を立てながら、
新しい鉛筆が削れていく。
ふわりと香り立つ、爽やかな木の香りが懐かしい。

子どもの頃、春休みに決まって文房具屋に行き、
鉛筆を自分で6本選んで、買うことにしていた。
始業式の前の晩、その鉛筆を削る時が、新学期前の一番のお楽しみだった。

ゆっくりゆっくり、鉛筆削りのハンドルを回して
木の削れる音と香りに集中していると、
明日からの緊張感とワクワク感が胸の中でぐるぐるする。
きれいに削れた長い鉛筆を筆箱に収めると
ちょっぴり誇らしい気分になった。

新しい扉を開く前の、あの香り、特別な時間。
今でも鉛筆を削ると、思い出す。

投稿:たゆままさん  執筆:編集者/ライター 秋山香織

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