『STOP地球温暖化【前編】「脱炭素ってなんだろう?」』では、
地球温暖化の原因や温暖化対策として注目を集めている
「脱炭素」に関して基礎的な知識をお伝えしました。
こちらの後編では、私たちが日常生活の中で取り組める
「脱炭素」に向けた行動や、花王の取り組みとめざすべき未来についてご紹介します。
毎日使っているならば3週間くらいで、マイボトルと使い捨てプラカップの二酸化炭素排出量は同等になります。そのため結果的にマイボトルを使用する方が環境に良いということになります。
【製品が生まれてから終わるまで】
下の図にあるように、製品の原材料から廃棄・リサイクルされるまでの一生を「製品ライフサイクル」と言います。また、各段階から排出された二酸化炭素の合計が「ライフサイクル二酸化炭素排出量」となります。
すすぎ1回で済む「アタック ZERO」は、サステナブルな原料調達や容器のコンパクト化などの改良を行ったことで、二酸化炭素排出量を従来品と比較して、25%削減することができました。もちろん水の使用量も大幅に減らすことができ、すすぎを2回必要とする洗剤と比べなんと58%も水の使用量を減らすことができています。イメージしづらいかもしれませんが、水道水を使用する時にも浄水場や下水処理場などの施設で電力が使われるため、水道水を使うたびに二酸化炭素が発生します。このように具体的な使用量の数値を比較することで、環境負荷が小さい商品であることがわかりやすくなりますね。
製品の環境負荷を計算によって定量的に評価する方法を
「LCA」(Life Cycle Assessment)といいます。
例えば、「原材料段階」の二酸化炭素排出量は、原材料の使用量に二酸化炭素排出係数*をかけ算することで算出できます。
さきほどのクイズですすぎ1回で済む「アタック ZERO」は、すすぎを2回必要とする洗剤と比べライフサイクル二酸化炭素排出量が25%削減できていると紹介しましたが、これもLCAを用いて見える化されたものです。製品ライフサイクルの各段階における二酸化炭素排出量を合計し全体のライフサイクル二酸化炭素排出量を算出。その数値が、すすぎ2回の洗剤と比べて25%も少なかったのです。
*単位量あたりの二酸化炭素排出量のこと。使用した物質・方法ごとに決まった値であり、文献や市販のデータベースなどから情報を入手できます。
ポンプボトルに比べて、つめかえパックは廃棄物を約73%も削減することが可能です。仮に日本の総人口の半分(約6,200万人)の人が1日1回ポンプボトルのシャンプーで髪を洗っているとして、その人たちがつめかえパックのシャンプーに切り替えることによって、1日で約30トン、1年で約1万トンもの廃棄物を削減できる計算になります。
「脱炭素」への取り組みは国や企業だけの
問題ではありません。
私たち個人にもできることがあるのです。
今回紹介しているように、
環境負荷の小さな製品を選ぶことで、
無理なく「脱炭素」に向けた
アクションができるのです。
花王は、みなさま一人ひとりが願う
サステナブルな暮らしー「Kirei Lifestyle」の
実現のため、
ESG(環境、社会、ガバナンス)戦略
「Kirei Lifestyle Plan」を策定し、
様々な活動に取り組んでいます。
「Kirei Lifestyle Plan」の最も
基本的なテーマが「脱炭素」です。
その実現に向けて、持続可能な原料の開発から環境負荷の小さな容器の開発、輸送の効率化、処理・リサイクルに至るまで「製品ライフサイクル」のすべてを通して二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいます。
花王では、様々なブランドで環境に配慮した製品開発を行っており、発売する前に製品の環境負荷を確認しています。また、自社で設定した環境配慮基準をクリアした製品のパッケージに“いっしょにeco”マークを表示して、環境に配慮した製品であることをお客さまにお伝えする取り組みを行っています。製品をご購入の際は、ぜひパッケージをチェックしてみてください。
花王は、環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営する国際NGOのCDPの企業評価で、『気候変動』『水』『森林』の3分野において最高の「A評価」を獲得。日本初のトリプルA評価の企業となりました。
「自分自身のくらしが清潔で満ち足りているだけでなく、周りの世界もまたそうであることを大切にすること。今日だけではなく、これからも続くと安心できること」とは、「Kirei Lifestyle Plan」の一節です。花王がめざす未来が、この言葉に集約されています。2030年までの目標である「地球一個分のくらし」を実現するため、SDGsや「脱炭素」への取り組みを通じて、サステナブルな社会の構築をめざしていきます。
私たち人間が生きていくには水や食料など自然の恵みが必要ですが、昔に比べて自然資源への需要が大幅に増加しています。その結果、今の消費生活を維持するには2030年までに地球2個分に相当する自然資源が必要になるという報告があります。また、温暖化によって自然資源へのリスクも高まっている中、すでに待ったなしの状況なのです。
※WWF(世界自然保護基金)の報告によるもの。
「脱炭素」は世界規模で早急に
取り組まなければならない施策です。
そのために私たち個人にもできること、
それは日々の生活の中で
環境に配慮した
正しい選択をすることではないでしょうか。
どんな小さなことからでもかまいません。
まずは自分にできることから始める。
そんな日々の繰り返しが、「よりすこやかな地球」
を実現するために重要なのです。