世界各地で起きている異常気象・気象災害の原因が、
地球の「温暖化」であることは、みなさんご存じですよね。
この温暖化対策として最近注目を集めているのが「脱炭素」です。
「脱炭素」に花王がどう関係するの?と疑問に感じられる人もいらっしゃると思います。
実は、持続可能なくらしの実現に向けて花王が策定している
「Kirei Lifestyle」という取り組みの最も基本的なテーマとして挙げているのが、
この「脱炭素」なのです。そこで今回は、クイズ形式で「脱炭素」について
基礎知識を学びながら、花王の取り組みもご紹介します。
「脱炭素」とは、石炭や石油といった化石燃料の使用を限りなくゼロにし、温暖化の原因である温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出量をゼロまたはマイナスにするための取り組みです。
地球環境を守るそのためのアプローチとして、省エネ、再生可能エネルギーの普及、二酸化炭素の吸収と回収、リサイクルなどが挙げられています。
たしかに地球温暖化の原因は温室効果ガスです。しかし、温室効果ガスがなければ、人間を含め地球上の生物は生きていけません。その理由は、大気圏にある温室効果ガスが、太陽光であたためられた地表から放出された熱が逃げないように地球全体を覆ってくれているからです。
もし、温室効果ガスがなければ地球の温度はマイナス19℃になり、生物が生きていくのに適さない環境になってしまいます。ですから、温室効果ガスをすべてなくすのではなく、温室効果ガス総排出量の76%を占め、最も大きな影響を与えている「二酸化炭素」の濃度を上げないことが重要なのです。
《世界で起きている温暖化の影響》
気温の上昇、降水量の変化、雪氷減少、海面の水位上昇、干ばつや地滑り、大規模な森林火災などが各国で発生しています。私たちがくらしている日本でも、毎年のように大型台風や線状降水帯*による大雨の被害が各地で発生しています。しかも、「50年に一度」とか「これまでに経験したことのない」などの言葉で表現されるような異常気象や気象災害が身近で起きているのです。
*積乱雲(発達した雨雲)が、線状に次々に発生して、ほぼ同じ場所を通過・停滞することで作り出される、非常に強い雨のエリア
私たち人間が生きていくには水や食料など自然の恵みが必要ですが、昔に比べて自然資源への需要が大幅に増加しています。その結果、今の消費生活を維持するには2030年までに地球2個分に相当する自然資源が必要になるという報告があります。また、温暖化によって自然資源へのリスクも高まっており、すでに待ったなしの状況なのです。
※WWF(世界自然保護基金)の報告によるもの。
これまでと同量の二酸化炭素を排出し続けると、2100年には最大4.8℃の気温上昇が予想されています。その場合、異常気象や気象災害の規模はさらに大きくなってしまうのです。そんな未来を迎えないために取り組まなければいけないのが、二酸化炭素排出量をゼロにする「ネットゼロ」。2015年のパリ協定では、平均気温の上昇を2℃もしくは1.5℃未満に抑えることを実現するため、2050年までに二酸化炭素の排出量をゼロまたはマイナスにすることが目標として採択されました。
しかし、最新の研究では、世界各国が二酸化炭素の排出量を、もっと早い段階で実質ゼロか、それ以下に削減しなければ、2018年時点の想定より10年も早く気温上昇は1.5℃に達してしまう可能性があることが分かりました。この研究報告を受け、COP26気候会議では、各国政府の1.5℃目標を実現するための大胆な温室効果ガス削減計画の発表が求められているのです。
2015年にフランスのパリで開催された「国連気候変動枠組条約締約国会議」(COP21)において採択された温暖化対策の国際的な協定です。気候変動枠組条約に加盟する全196カ国すべてが参加し、長期目標として平均気温の上昇を2℃目標の設定、もしくは1.5℃に抑える努力を追求することが採択されました。
花王の「Kirei Lifestyle Plan」の
最も基本的なテーマは「脱炭素」です。
Kirei Lifestyleの
『こころ豊かなくらしが、今日だけ
ではなく、これからも続くと安心できること。』
その実現のために「脱炭素」をめざし、
花王が日々どんなことに取り組んでいるか
ご紹介します。
2021年5月、花王は脱炭素社会の実現に向けて、2040年までにカーボンゼロ、2050年までにカーボンネガティブ(排出される温室効果ガスよりも、吸収される温室効果ガスが多い状態)をめざすという新たな目標を発表しました。そのため、これまで気温の上昇を2℃に抑えるとしていた目標を、「1.5℃」に引き上げて申請。また、事業の使用電力を100%再生可能エネルギーでまかなうことをめざす国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しました。
花王ができることは、みなさまへ生活に寄り添った製品を提供することです。だからこそ日々のくらしの中で、たとえ小さなことでも地球にやさしい選択をしたり、快適でサステナブルなライフスタイルを送り続けるための提案ができます。例えば、サステナブルな洗浄成分を用いた「アタック ZERO」や、泡切れがよく節水効果の高いシャンプー「メリット」、つめかえいらずの「スマートホルダー」などの環境配慮型製品があります。また、気候変動により変化する生活者のライフスタイルに対応した商品提案も行っています。その一例が、気温が高い季節に冷房の設定温度などを抑えたり、熱中症対策ができる「ビオレ冷シート」や、冷感成分の入った「バブ」などです。
「脱炭素」に向けた取り組みは、
国や企業だけが行うものではありません。
いま世界で何が起こっているかを知ることで、
「自分に何ができるか」を
一人ひとりが考えるきっかけを持ち、
行動に移していくことが、
私たちにできる「脱炭素」への第一歩なのです。