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第1話 あたらしい夏の扉。「ジャーン。どう、お母さん?」娘はくるっとひとまわりする。「いいかもいいかも。似合ってるわよ」目を細めながら妻が答える。視線の先は、濃紺に黄色の花模様。パリッと糊のきいた、娘の浴衣姿だ。今日は地元のお祭り。神社の境内には夜店も出る。去年までは妻と娘と三人で出かけ、金魚すくいをするのが恒例だった。しかし今年は…。

第1話 あたらしい夏の扉。「ジャーン。どう、お母さん?」娘はくるっとひとまわりする。「いいかもいいかも。似合ってるわよ」目を細めながら妻が答える。視線の先は、濃紺に黄色の花模様。パリッと糊のきいた、娘の浴衣姿だ。今日は地元のお祭り。神社の境内には夜店も出る。去年までは妻と娘と三人で出かけ、金魚すくいをするのが恒例だった。しかし今年は…。

第1話 あたらしい夏の扉。「ジャーン。どう、お母さん?」娘はくるっとひとまわりする。「いいかもいいかも。似合ってるわよ」目を細めながら妻が答える。視線の先は、濃紺に黄色の花模様。パリッと糊のきいた、娘の浴衣姿だ。今日は地元のお祭り。神社の境内には夜店も出る。去年までは妻と娘と三人で出かけ、金魚すくいをするのが恒例だった。しかし今年は…。

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「じゃ、行ってきまーす」、バタン。友達と待ち合わせとかで、娘はサッサと出かけてしまった。中学生ともなれば、こんなものか。というわけで、夕食を終えてから私と妻は二人で夜店をのぞきに行った。焼とうもろこしに水飴、お面に風車、そして金魚すくい…。「もう一回、もう一回」とねだる小さな女の子が、ついこの間までの娘にだぶって見える。

「じゃ、行ってきまーす」、バタン。友達と待ち合わせとかで、娘はサッサと出かけてしまった。中学生ともなれば、こんなものか。というわけで、夕食を終えてから私と妻は二人で夜店をのぞきに行った。焼とうもろこしに水飴、お面に風車、そして金魚すくい…。「もう一回、もう一回」とねだる小さな女の子が、ついこの間までの娘にだぶって見える。

「じゃ、行ってきまーす」、バタン。友達と待ち合わせとかで、娘はサッサと出かけてしまった。中学生ともなれば、こんなものか。というわけで、夕食を終えてから私と妻は二人で夜店をのぞきに行った。焼とうもろこしに水飴、お面に風車、そして金魚すくい…。「もう一回、もう一回」とねだる小さな女の子が、ついこの間までの娘にだぶって見える。

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とその時、「お父さーん」と近づいてくる声。娘だ。まとめた髪が、生意気にも少し大人っぽい。「おう、もう帰るのか。じゃあ一緒に」という私の言葉をさえぎって、彼女は言った。「ごめん、お願いお願い。ちょっとだけお小遣い…」「サンキュー!」、まんまと五百円玉を手にした娘は、ふり返りもせずに友達の方へと走って行く。

とその時、「お父さーん」と近づいてくる声。娘だ。まとめた髪が、生意気にも少し大人っぽい。「おう、もう帰るのか。じゃあ一緒に」という私の言葉をさえぎって、彼女は言った。「ごめん、お願いお願い。ちょっとだけお小遣い…」「サンキュー!」、まんまと五百円玉を手にした娘は、ふり返りもせずに友達の方へと走って行く。

とその時、「お父さーん」と近づいてくる声。娘だ。まとめた髪が、生意気にも少し大人っぽい。「おう、もう帰るのか。じゃあ一緒に」という私の言葉をさえぎって、彼女は言った。「ごめん、お願いお願い。ちょっとだけお小遣い…」「サンキュー!」、まんまと五百円玉を手にした娘は、ふり返りもせずに友達の方へと走って行く。

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思わずその背中に、「九時、いや八時半までに帰るんだぞー」隣りでクスッと笑った妻が、私の肩をポンと叩いた。「ね、金魚すくいして帰ろっか」

思わずその背中に、「九時、いや八時半までに帰るんだぞー」隣りでクスッと笑った妻が、私の肩をポンと叩いた。「ね、金魚すくいして帰ろっか」

思わずその背中に、「九時、いや八時半までに帰るんだぞー」隣りでクスッと笑った妻が、私の肩をポンと叩いた。「ね、金魚すくいして帰ろっか」

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2016年8月掲載

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