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第3話 明日に向かって漕げ! 「そこでペダル踏んで!」私の声も空しく、ピンクの小さな自転車は横転する。〈ガシャーン!〉ふり返った娘(小一)は泣き出しそうな顔で訴える。「『手、離さないで』って言ってるでしょ」 さっきからこのくり返しだ。「でもずっと支えてたら練習にならないよ。ほら、もう一回」「…」「もう一回!」黙ったままの娘に私の語気も少々きつくなる。

第3話 明日に向かって漕げ! 「そこでペダル踏んで!」私の声も空しく、ピンクの小さな自転車は横転する。〈ガシャーン!〉ふり返った娘(小一)は泣き出しそうな顔で訴える。「『手、離さないで』って言ってるでしょ」 さっきからこのくり返しだ。「でもずっと支えてたら練習にならないよ。ほら、もう一回」「…」「もう一回!」黙ったままの娘に私の語気も少々きつくなる。

第3話 明日に向かって漕げ! 「そこでペダル踏んで!」私の声も空しく、ピンクの小さな自転車は横転する。〈ガシャーン!〉ふり返った娘(小一)は泣き出しそうな顔で訴える。「『手、離さないで』って言ってるでしょ」 さっきからこのくり返しだ。「でもずっと支えてたら練習にならないよ。ほら、もう一回」「…」「もう一回!」黙ったままの娘に私の語気も少々きつくなる。

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「ペダル踏んで」〈ガシャーン!〉「もう、乗れなくてもいいもん」娘は泣きながら家に帰ってしまった。「やれやれ」、自転車を起こしている私に途中から様子を見ていた妻が言う。「ちょっと急ぎすぎじゃない?」「そうかな」「少し怖かったし」「でも効率良く進めないと」、と言いかけて、私はふと自分に問いかけた。(効率良く進めないと何がマズイ?)

「ペダル踏んで」〈ガシャーン!〉「もう、乗れなくてもいいもん」娘は泣きながら家に帰ってしまった。「やれやれ」、自転車を起こしている私に途中から様子を見ていた妻が言う。「ちょっと急ぎすぎじゃない?」「そうかな」「少し怖かったし」「でも効率良く進めないと」、と言いかけて、私はふと自分に問いかけた。(効率良く進めないと何がマズイ?)

「ペダル踏んで」〈ガシャーン!〉「もう、乗れなくてもいいもん」娘は泣きながら家に帰ってしまった。「やれやれ」、自転車を起こしている私に途中から様子を見ていた妻が言う。「ちょっと急ぎすぎじゃない?」「そうかな」「少し怖かったし」「でも効率良く進めないと」、と言いかけて、私はふと自分に問いかけた。(効率良く進めないと何がマズイ?)

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晴れた日曜日の午後だ。そうだよな、仕事じゃあるまいし、何も慌てて「成果」を求めることもない。のんびり娘と練習を楽しめばいいじゃないか。 妻に取りなされて娘が戻ってきた。「そう、いい感じ。そのまま漕いで」「まっすぐ走れてる?」娘の声が弾む。「OK。じゃ今度は手離すよ。いい?」「うん。そーっとね」すると自転車はスーッと…。〈ガシャーン!〉

晴れた日曜日の午後だ。そうだよな、仕事じゃあるまいし、何も慌てて「成果」を求めることもない。のんびり娘と練習を楽しめばいいじゃないか。 妻に取りなされて娘が戻ってきた。「そう、いい感じ。そのまま漕いで」「まっすぐ走れてる?」娘の声が弾む。「OK。じゃ今度は手離すよ。いい?」「うん。そーっとね」すると自転車はスーッと…。〈ガシャーン!〉

晴れた日曜日の午後だ。そうだよな、仕事じゃあるまいし、何も慌てて「成果」を求めることもない。のんびり娘と練習を楽しめばいいじゃないか。 妻に取りなされて娘が戻ってきた。「そう、いい感じ。そのまま漕いで」「まっすぐ走れてる?」娘の声が弾む。「OK。じゃ今度は手離すよ。いい?」「うん。そーっとね」すると自転車はスーッと…。〈ガシャーン!〉

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まあ、そううまくはいかないな。けれど倒れてこちらをふり返った娘は笑顔だった。「少し走れたね。パパ、もう1回!」

まあ、そううまくはいかないな。けれど倒れてこちらをふり返った娘は笑顔だった。「少し走れたね。パパ、もう1回!」

まあ、そううまくはいかないな。けれど倒れてこちらをふり返った娘は笑顔だった。「少し走れたね。パパ、もう1回!」

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  • 第4話 空に響く音。を読む

2015年10月掲載

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