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第1話 断トツ一等賞。 「だってどうせビリなんだから、ゆっくり走ったっていいでしょ」娘(小五)が少し頬っぺたをふくらませて言う。一週間後に迫った運動会の徒競走の話だ。

第1話 断トツ一等賞。 「だってどうせビリなんだから、ゆっくり走ったっていいでしょ」娘(小五)が少し頬っぺたをふくらませて言う。一週間後に迫った運動会の徒競走の話だ。

第1話 断トツ一等賞。 「だってどうせビリなんだから、ゆっくり走ったっていいでしょ」娘(小五)が少し頬っぺたをふくらませて言う。一週間後に迫った運動会の徒競走の話だ。

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彼女は運動が苦手だ。走るのも速くない。今までの運動会でも、いつもしんがりでゴールインするのがお決まりだった。 そして今年は、そろそろ微妙な年頃ゆえの照れなのか、「全力で走らない」ことに決めたのだそうだ。曰く、「練習でもテキトーに走っている」と。

彼女は運動が苦手だ。走るのも速くない。今までの運動会でも、いつもしんがりでゴールインするのがお決まりだった。 そして今年は、そろそろ微妙な年頃ゆえの照れなのか、「全力で走らない」ことに決めたのだそうだ。曰く、「練習でもテキトーに走っている」と。

彼女は運動が苦手だ。走るのも速くない。今までの運動会でも、いつもしんがりでゴールインするのがお決まりだった。 そして今年は、そろそろ微妙な年頃ゆえの照れなのか、「全力で走らない」ことに決めたのだそうだ。曰く、「練習でもテキトーに走っている」と。

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「由美、お父さんもお母さんもせっかく見に行って、そんな風に由美が走ってたら残念だな。それに由美と一緒の組で走る友達にも失礼じゃないかな」私がそう諭すと、彼女はそれでも不満そうな顔つきで自分の部屋に引っ込んでしまった。やれやれ…。 ところが運動会当日の朝、出がけに娘はやけに張り切ってこう言った。「ねえ、絶対遅れないで見にきてよ。マジで走るからさ」妻に聞くと、どうやら娘はここ何回かの練習では必死に走り、何と昨日の直前練習では最下位から脱したらしいのだ。

「由美、お父さんもお母さんもせっかく見に行って、そんな風に由美が走ってたら残念だな。それに由美と一緒の組で走る友達にも失礼じゃないかな」私がそう諭すと、彼女はそれでも不満そうな顔つきで自分の部屋に引っ込んでしまった。やれやれ…。 ところが運動会当日の朝、出がけに娘はやけに張り切ってこう言った。「ねえ、絶対遅れないで見にきてよ。マジで走るからさ」妻に聞くと、どうやら娘はここ何回かの練習では必死に走り、何と昨日の直前練習では最下位から脱したらしいのだ。

「由美、お父さんもお母さんもせっかく見に行って、そんな風に由美が走ってたら残念だな。それに由美と一緒の組で走る友達にも失礼じゃないかな」私がそう諭すと、彼女はそれでも不満そうな顔つきで自分の部屋に引っ込んでしまった。やれやれ…。 ところが運動会当日の朝、出がけに娘はやけに張り切ってこう言った。「ねえ、絶対遅れないで見にきてよ。マジで走るからさ」妻に聞くと、どうやら娘はここ何回かの練習では必死に走り、何と昨日の直前練習では最下位から脱したらしいのだ。

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さて、本番。ズバーンというピストルの音。必死に腕を振り、地面を蹴る娘。見事、結果は…。と、まあそう甘くはなく、残念ながら今年も惜しいところで定番順位でのゴールとなった。でも立派だったぞ。順位はどうだって、君の走りは僕の中では一等賞だよ。私は心の中で娘にエールを送った。

さて、本番。ズバーンというピストルの音。必死に腕を振り、地面を蹴る娘。見事、結果は…。と、まあそう甘くはなく、残念ながら今年も惜しいところで定番順位でのゴールとなった。でも立派だったぞ。順位はどうだって、君の走りは僕の中では一等賞だよ。私は心の中で娘にエールを送った。

さて、本番。ズバーンというピストルの音。必死に腕を振り、地面を蹴る娘。見事、結果は…。と、まあそう甘くはなく、残念ながら今年も惜しいところで定番順位でのゴールとなった。でも立派だったぞ。順位はどうだって、君の走りは僕の中では一等賞だよ。私は心の中で娘にエールを送った。

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2015年10月掲載

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