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みなさんは、毎日ぐっすり眠れていますか?良い眠りのための12のトピックで、美しさにつながる眠りの世界へいざないます。
眠ることはただカラダの疲れを癒すだけでなく、脳にとっても大切なのだとか。記憶を整理・定着させるといったメンテナンスのほかに、脳内で健康や美を育むための、さまざまな作用がおこっています。
眠り始めの3時間くらいの間に約2回訪れる、深い眠り(ノンレム睡眠3~4)がとれると、美に関わるホルモンが分泌され始めます。その後朝までの間、血の巡りに乗ってホルモンがカラダの隅々に行き渡りながら、キメの整った肌など、内面から美しさをつくっていきます。
「ぐっすり寝れば睡眠時間が短くても大丈夫」というのは誤解です。美容面でいうとホルモンが体内を巡って細胞の修復などに費やされていく大切な時間も考えると、多くの人は7〜8時間必要と言われています。いつも布団に入った途端、気絶するように眠りに落ちるという人は、慢性的な睡眠不足かもしれません。
いつも短い睡眠なのにはつらつとした、ショートスリーパーと呼ばれるタイプが一時期話題になりました。でもじつは5時間以下でも快適に過ごせる人は、全体の1%未満と考えられており、真似をすると健康や美に悪影響が。眠る時間の長さを大切に捉えましょう。
内面からつくる健やかな美しさに欠かせず、睡眠と密接な関わりがあるホルモンをご紹介します。
「天然の美容液」ともいわれ、カラダの新陳代謝や、脂肪の分解などを促します。入眠から3時間ほどの深い眠りの間に分泌されます。
暗くなると分泌され眠気を誘うことから「睡眠ホルモン」とも。抗酸化作用があり、アンチエイジングの面からも注目されています。
満腹感を感じ、食欲を抑制するホルモンで「痩せホルモン」とも。睡眠時間が短い人ほと分泌量が少ないというドキッとする研究報告があるそうです。
明け方から分泌され、すっきりとした目覚めを誘います。また「抗ストレスホルモン」として、美容面でも注目されています。
成長ホルモンなどがきっかけとなって、細胞の修復や新陳代謝がしっかり行われる睡眠がとれれば、お肌にいいことばかりが起こります。
朝すっきり目覚めて、朗らかに「おはよう」と言える眠りは、美容面から見ても良い睡眠。眠ることを楽しみに捉えて、以下のことを意識してみましょう。
できるだけ同じタイミングで入眠、起床することを習慣にすると、活動と睡眠のリズムを司る体内時計が整い、良い眠りが得られやすくなります。
目安と言われる7~8時間の中で、目覚めが良く、日中に眠気を感じない生活が送れる、自分に合った睡眠時間を探ってみましょう。
入眠から約3時間の間に深い眠りを得るのは、寝つき次第とか。布団に入って10〜20分ほどで、安らかに眠りにつくのが目安です。
起きて1時間以内に胃腸を動かすことで、体内時計のリズムが整います。朝ごはんは栄養をとるのと同時に、夜のよい眠りに向けた活動でもあるのです。
睡眠不足を感じたときのリカバーは、いつもの起床時間より2時間ほど寝坊する程度にとどめて。体内時計を狂わせずにすみ、結果的に良い睡眠習慣につながります。
理想の就寝時刻から逆算して、お風呂の時刻や夕食の時刻など、眠りをゴールにした段取りを考えて実践してみましょう。なんとなく夜更かしするクセがなくなります。
つい枕元に置きがちですが、液晶画面から放たれるブルーライトが寝つきに悪いほか、外界との接点という意味でもスマホがそばにあると眠りに集中しづらくなります。
気持ちが緩むのはもちろん、寝る前に少し体温を上げておき、寝つきを良くし、深い眠りを得やすくなる習慣が、ぬるめのお風呂。タイミングは就寝の30分〜3時間前が目安です。
目元や首の後ろを温めると、副交感神経のスイッチが入ってリラックスモードに。こわばっていたカラダがゆるみ、良い眠りにつながります。
朝起きたら、カーテンを開ける習慣を。夜の眠りを誘うメラトニンは、光を浴びてから14〜17時間後に分泌されるそうです。寝起きが悪い人は起き抜けの20〜30分間、窓際にいる手も。
心地いい眠りの「正解」は人それぞれ。自分のカラダと対話しながら、時間や質を高める工夫を数日ずつ試して、合う方法を見つけてみてくださいね。 良い眠りを手に入れて、いまよりもっと美しいあなたへ。
監修:三橋美穂さん快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。眠りを多角的に捉えたアドバイスには定評があり、全国での講演活動のほか、テレビや雑誌など多方面で活躍中。著書に「驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100」(かんき出版刊)ほか多数。