ストレスの原因や影響の程度には個人差もありますが、確かにストレスはヘアサイクルに影響を及ぼす因子の1つと考えられています。毛髪が成長期を経て休止期毛※になると、たった数グラム以下の力で抜けます。1本の髪の成長期はおよそ4~6年、休止期は数カ月といわれているため、成長期が短くなったり、休止期の髪が多くなったりした場合に抜け毛が増えると考えられます。
ヘアサイクルに影響を及ぼす他の因子としては、遺伝・ホルモン・血行・環境(季節差や気温差)などがあげられます。
※休止期毛…毛髪のもととなる毛母細胞から離れて、完全に成長が止まり、抜けやすい状態の毛髪
女性ホルモンには、ヘアサイクルが成長期から休止期に移行することを抑制する働きがあります。妊娠中の女性は、まさにその状態。女性ホルモンのレベルが非常に高くなるため、毛髪は休止期に移行せず、脱毛しにくい状態になるのです。
出産後、女性ホルモンは急激に減少し、通常のレベルに戻ります。この時、これまで成長期で維持されていた髪が休止期に入るため、一時的に抜け毛が増加します。これが、出産後脱毛です。
その後、新しい毛髪が通常のヘアサイクルに従って成長しはじめ、抜け毛もふつうのレベルに戻ります。
一般的に産後すぐ症状が見られ、6カ月~1年で戻ることが多いようですが、女性ホルモンの分泌量や生活習慣などで個人差も見られます。
★ちなみに…出産後に髪質が変わったという話も耳にしますが、それは栄養状態(授乳や食事内容)の変化が影響している可能性が考えられます。
ただし、ヘアカラーや白髪染め、ブリーチなど、染めた後の髪は、構造的にダメージを受けているだけでなく、手触りが悪くなっています。そのため、染めている時には
などをより心がけてください。こうしてキューティクルの傷みを染めた後に進めないことによって、内部の傷みも抑えられます。
頭皮のニオイやかゆみ、髪のべたつきの原因となる油性成分のうち、最も洗いにくい固体の皮脂が液状になるのが40℃弱という知見があります。
30℃付近ではシャンプーが泡立ちにくく、さらに固体の皮脂が多いため、洗いにくく、洗い残しやすくなります。以上のことより、38℃~40℃が適温と考えられます。
皮脂や汗の分泌量や状態は、年齢と共に個人差(身体的特性や活動量)によるものが大きいと思われます。
例えば、髪が細かったり少なかったりすると、皮脂などが移行する先の毛髪の表面積が少ないために、より頭皮に残りやすいと考えられます。また年齢が上がるにつれ、洗いにくい皮脂の固体の割合が増える傾向にあるので、頭皮をより意識して洗うことをお薦めします。最近気になる傾向としては、皮脂の分泌量が多い若い世代で、なで洗いやなですすぎで頭皮をきちんと洗えていない人が増えていることです。頭皮よりも髪のベタつきが気になるとか、毛量が多くて頭皮まで洗いにくいというのがその理由のようですが、ニオイや根元のベタつきの原因となるので気をつけたいですね。
100℃以上で繰り返し加熱されると髪は傷みます。
濡れている髪は温度が上がりにくいことと、最近のドライヤーは風量が強く熱が留まりにくいので、熱による傷みはほとんどありません。(乾き際の髪にドライヤーの吹き出し口を当て続けると温度が上がりやすいので気をつけましょう。)
ヘアアイロンは、100℃以上の設定のものが多いので繰り返し使用による傷みは避けられませんが、繰り返し使うと形がつきにくくなり回復が難しい変化を起こす160℃を超える温度を避け、熱い状態で髪を強くこすったりひっぱったりしないように使いましょう。