気温が下がって空気が乾いてくる秋・冬、
お肌をとりまく環境が大きく変わる時期。
そんな季節に、気に留めておくといいかもしれない
いくつかのこと、ご紹介します。
じっくりお肌と向き合って、
そのメッセージに耳を傾けてみませんか?
監修:次田哲也(つぎた・てつや)
花王株式会社スキンケア研究所 上席主任研究員
東京農工大学 客員准教授
気温が下がって空気が乾いてくる秋・冬、
お肌をとりまく環境が大きく変わる時期。
そんな季節に、気に留めておくといいかもしれない
いくつかのこと、ご紹介します。
じっくりお肌と向き合って、
そのメッセージに耳を傾けてみませんか?
監修:次田哲也(つぎた・てつや)
花王株式会社スキンケア研究所 上席主任研究員
東京農工大学 客員准教授
「朝の洗顔はお湯だけ」という人もいるかもしれません。寝ている間にも皮脂は分泌されており、起床時の肌には刺激となる「変性皮脂」が多く付着しています。この皮脂をちゃんと落とすには水やお湯だけではなく、洗顔料を使うことが必要です。洗顔時にはできるだけ肌に刺激を与えないよう、泡をそっとお肌にのせ、汚れを包み込んで浮かせて落とすようなイメージで。
肌の皮脂腺から分泌される脂は油性。たとえばリンゴを放っておくと茶色くなるように、皮脂も空気に触れると、時間の経過とともに一部が酸化して、「変性皮脂」と呼ばれるものに変化してしまいます。実はその「変性皮脂」が肌にとっては刺激物。肌のバリア機能の低下、キメの乱れ、ターンオーバーにも影響が。しばらく洗顔せずにいると、肌に残った皮脂が炎症を引き起こし、次に洗うときにはヒリヒリしてしまうことも。
肌に残った皮脂は変性し、
炎症を起こす原因にも。
お肌の悩みは、大きく分けて2つあります。肌の透明感の低下、くすみなどの「色悩み」と、しわや肌のたるみ、ハリのなさなどの「形悩み」。どちらも年齢が上がるにつれて気になってくるところですが、40代半ばごろからは、特に形悩みを意識することが多くなるようです。
形悩みの大きな要素の一つが、しわです。下のグラフは、現在の肌状態についての意識調査の中から、毛穴としわについての項目を年代別に抽出したもの。若い時は毛穴を気にする人の割合が多いのですが、年を重ねるにつれてしわが気になる人が多くなります。これは、毛穴が気にならなくなったわけではなく、しわの方に目が行きがちになってきたということです。
動物をなでてみるとわかりますが、体のパーツごとに、毛の流れる方向がありますね。私たちの毛もまっすぐ垂直に生えているのではなく、斜めの方向を持って生えています。年を重ねると、とくに頰の部分において、毛穴が楕円になり一定の方向に引っ張られたようになり、やがて繋がって小じわのように見えてくることがあるのです。
近くで自分の顔を見ていると、小じわなどの細かいところが目についてしまいがちです。でも少し離れて見てみましょう。気になるのはむしろ、肌のツヤや全体のフォルム、つまり「肌のハリ感」ではありませんか?「他人からの視点」を意識することが、形悩みを考えるポイントに。
若い肌と年齢を重ねた肌のハリの違いは、頰のハイライトに現れます。大きく上部まで丸みを帯びたハイライトがある人の方が、若く見えるのがわかります。メイクするときの参考にすると 良いかもしれません。また肌の水分量が少なくなると、ハリはなくなりがち。 しっかりと保湿を心がけることも大切です。
肌は、血管の状態にも影響されます。老廃物を排除し、肌に栄養を運ぶのは、体のすみずみまでいきわたっている毛細血管の役割。毛細血管は、いつも全てが働いているわけではありませんが、休んでいる毛細血管も必要なときにはちゃんと反応して働けることが大切です。その力を高めるためには、炭酸のお風呂に入って血行を良くしたり、栄養バランスのよい食事を心がけたり、睡眠をしっかりとるようにしたり・・・つまり肌の表面のケアだけではなく、カラダの内側へアプローチすることが有効です。血管が必要な時に反応できる力、すなわち「血管力」を高めておくことが、肌美人への道と言えるでしょう。
キレイな肌は、
肌は日々の生活習慣を 映し出す鏡です。
強く丈夫な血管から。
お肌は日々、あなたにさまざまなメッセージを送っています。 そこからあらためて気づかされることも多いのではないでしょうか? 冷えや乾燥、いろいろなトラブルが心配なこれからの季節も、 お肌のメッセージを上手に受け止めて、すこやかに過ごしていきたいものですね。
2018年11月掲載(初出) 2022年1月更新