毎日触っている髪の毛。抜け毛や白髪が増えて、
でも、そもそも髪の毛ってどのようにして 伸びていくのでしょう?
髪が抜けるとき、毛根では何が起きているの?
きちんとケアするためにも、知っているようで実は知らない髪の毛の世界を、 ちょっとのぞいてみませんか。
ひそかに気になっている方も 多いのではないでしょうか。
髪の毛とは、一番根元にある毛母細胞が分裂・増殖して、その後角化して硬くなったものです。つまり、毛球の丸く太くなっている部分はまだ生きていますが、頭皮の上に出てきた髪の細胞は、もう死んでしまっているのです。髪が伸びていくように見えるのは、毛母細胞が分裂するとき、中で膨らむだけではなく、下から髪の毛を押し上げていくためです。
※「髪の毛は生きていない」とは、髪が自ら細胞を再生することが出来ないことを指します。なので、適切なお手入れによって髪をなるだけ傷ませないようにし、髪の状態をより良く整えましょう。ヘアケア製品には、髪表面をなめらかにしてダメージを弱め、手触りなどの質を改善する働きがあります。
髪の毛には「ヘアサイクル」があり、髪の毛が伸びていく成長期(長ければ6年以上)、成長が止まる退行期(2、3週間)、そして抜け落ちるのを待つ休止期(数ヶ月)という3つの期間があります。休止期の毛穴(毛球部)では、次の髪の毛が生える準備が始まっています。成長期の髪は引っ張ってもなかなか抜けませんが、休止期の髪は、数グラム以下の力で自然に抜け落ちます。シャンプーの最中や手ぐしでとかしたときに抜けるのは、ほとんどが休止期の髪の毛です。
世界的に見て、日本の女性の髪は直毛の割合が高いようです。でも子どものころはまっすぐな髪の毛だったのに、大人になったらウェーブ(くせ毛)が混ざってきたという方も多いのでは・・・?理由はまだ解明されていませんが、年齢とともに(30代以上)細かいくせ毛の割合は増える傾向にあるようです。
「シャンプー」という言葉は、ヒンズー語の「押す」を意味する言葉が語源だと言われています。それはやがて「マッサージをする」という意味を持つようになりました。シャンプーするときは、本来の「マッサージ」の意味を思い出してみましょう。頭皮をマッサージすることで血行が促進され、毛母細胞の分裂・増殖を助けてくれます。またマッサージによって頭皮上の脂肪酸などがより洗い流されやすくなるので、かゆみやニオイの防止効果につながります。
白髪は、毛球部のメラノサイトの働きが鈍くなることで発生するもので、元気をなくした髪の毛というわけではありません。抜けても次の髪の毛が生えてきます。ただしメラノサイトの働きが低下しているため、次の髪の毛も白髪になる可能性が高くなります。成長期にある白髪を無理に抜くのは、毛球部を傷める原因になるので、避けたほうがよいでしょう。
毛先を切ることで健康な髪の毛が生えてくると思っている人も多いのですが、実は切っても、成長しているのは毛根なので、成長速度は変わりません。最も傷んでいる毛先がなくなるので、勘違いしてしまうかもしれません。髪の毛の成長を促したいときは、タンパク質を含んだ栄養バランスのよい食事を心がけ、摂取した栄養が毛母細胞の分裂・増殖を助けるよう、育毛剤を使ったり頭皮マッサージを行ないましょう。
髪の毛にまつわる真実、
髪の毛の悩みはなかなか 口に出しにくいものですが、 基本的なしくみを知ることで
正しいケアができるとよいですね。
バランスのとれた食生活と、 頭皮を傷つけずに血流を促すマッサージ、
今日からぜひ習慣にしてみてくださいね。
みなさまはいくつご存知でしたか。
2018年4月掲載(初出) 2022年2月更新