シュワシュワっと弾ける炭酸水。いかにも涼しげでさわやかな印象ですよね。おなじみの飲む炭酸、炭酸飲料だけではなく、最近は「炭酸シャンプー始めました」なんていう美容院の看板もよく見かけるようになりました。そう、炭酸には思いがけないキレイと健康の秘密がいっぱい。もし「炭酸気になる!」って思っていたら、この夏、生活に取り入れてみるのもよいかもしれません。まず「炭酸効果のメカニズム」からご紹介しましょう。
肌などから取り込まれた炭酸、つまり二酸化炭素は分子が小さいこともあり、すばやく血管に浸透します。
血管内の二酸化炭素の濃度が上昇するため、カラダは酸素を取り込むために血管を拡張します。
血流が活性化し、血液中の赤血球が酸素と栄養分を放出して、カラダに取り込まれるのです。
肌などから取り込まれた炭酸、つまり二酸化炭素は分子が小さいこともあり、すばやく血管に浸透します。
血管内の二酸化炭素の濃度が上昇するため、カラダは酸素を取り込むために血管を拡張します。
血流が活性化し、血液中の赤血球が酸素と栄養分を放出して、カラダに取り込まれるのです。
上のイラストが示す通り、炭酸ガスには血管を拡張する作用があり、皮膚の血流量は、皮膚から吸収される炭酸ガスによって活性化することがわかっています。この「炭酸力」をうまく使うことで、私たちの美容・健康にも、なんだかよいことがおこりそうですよ!
日本に、炭酸の湧き水を飲める場所があること、ご存知ですか。福島県の奥会津金山町大塩地区。5mほどの深さの井戸をのぞくと、そこにはぼこぼこと炭酸水が湧き出しています。冬から春にかけては、おいしくて飲みやすい微炭酸の水が豊富に湧き出てくるので、自由に汲んで飲むことができます。明治時代には、商品化されて国内で売られたり、ヨーロッパに輸出されたりしたこともあったとか。現在は、徐鉄をしてボトリングされた状態でも販売されており、テーブルウォーターとして人気があるそうです。
※夏場は、鉄分が濃くなって飲みにくい味になってしまう上、水位も低くなって汲むこと自体ができなくなります。
炭酸成分を配合した洗顔料やクレンジング剤なども多く見かけるようになりました。炭酸には、毛細血管を広げて血行を促進する効果がありますが、炭酸成分入りの濃密でクリーミーな泡の洗顔料で洗いながらマッサージをすれば、さらに血流が活発に。肌にうるおいやハリが生まれ、化粧水のなじみやファンデーションのノリもよくなるかもしれません。また、ヘアサロンなどでの炭酸泉シャワーは、炭酸の持つ血行促進効果から、毛母細胞が活性化されて、ツヤやハリのある美しい髪を育む土台を作る効果が期待できます。
いまやブームとも言える炭酸美容ですが、炭酸入浴のもたらす効果は古くから注目されてきました。炭酸泉の生理学的効能が研究されはじめたのは19世紀後半、でもさらにその前から、ヨーロッパでは炭酸泉への入浴が親しまれていたのです。とくに血圧関連の治療、たとえば動脈閉鎖症や心臓病などの緩和を目的として利用されてきました。いったいなぜ炭酸入浴が、そこまで頼られてきたのでしょうか。その鍵を握るのはやはり血行促進効果です。さら湯と比較してみると、その違いは歴然です。
炭酸ガス系入浴剤を使用した場合:血流量の測定データ
炭酸ガス系入浴剤を使用した場合:血流量の測定データ
このように、炭酸によって血流がよくなり、全身の新陳代謝が促進されれば、美肌はもちろん、疲れや肩こり、冷え症などの改善といった効果が期待できます。また炭酸には、血液の流れを調節する力を高めることで、細胞の生まれ変わりを適正化する働きもあります。さらに、花王の研究によると、炭酸入浴をしたあとストレッチングをすることで、筋肉の柔軟性が得られ、歩行機能がアップするという結果も出ています。そしてもちろん、精神的なリラックスも。なんだかよいことづくしではありませんか?!今日から、1日の終わりには、気持ちのリラックス&リフレッシュも兼ね、炭酸入浴剤を入れたお風呂を楽しんではいかがでしょうか。
日本の温泉の中でも、お湯1リットルあたりに炭酸ガスが0.25mg以上含まれる、つまり250ppm以上のものが「炭酸泉」と呼ばれ、さらに1,000ppm以上の温泉は「高濃度炭酸泉」と呼ばれています。高濃度炭酸泉としてよく知られているのは、大分県の長湯温泉や、兵庫県の吉川温泉。吉川温泉の炭酸濃度は約2,430ppm※ だそうです。肌の血行を良くし代謝が活発になることから、美肌効果を語るには欠かせない炭酸泉。ときには気分転換をかねてふらっと出かけてみるのもよいですね。
※平成21年分析時
提供:吉川温泉よかたん
夏は暑いので、お風呂はシャワーだけですませる、という方が多いようですが、実はクーラーなどでカラダが冷え、血行も悪くなってしまいがちなのです。そんな夏こそ「炭酸入浴」を習慣にしてみることをオススメします。温度を38度くらいにしたお湯に炭酸入浴剤を入れるだけ。これなら手軽ですし、夏でも入りやすいでしょう。一流スポーツ選手も、練習後などのクールダウンに使っているようですよ。炭酸で、もっと美しく、健康に。くらしに炭酸を上手に取り入れ、めぐりのよい日々をおくりましょう!
いかがでしたか?
この夏は炭酸パワーを積極的に取り入れて、ますますキレイになりましょう。
2016年7月掲載(初出) 2021年7月更新