小さな子どもがいるご家庭では、何冊も絵本をお持ちではないでしょうか。
子どもに絵本を楽しんでもらうために、絵本づくりでこだわっていることや、
こんな風に読んでもらえたら……という想いについて、
児童書出版社の偕成社さまからお話を伺いました!
書店店頭の販促物、ウェブサイトやSNSの運営、広告・宣伝、イベント監修など、プロモーションまわりをいろいろ担当。本と読者のつなぎ役になるべく日々奮闘中。
偕成社 販売部
(プロモーション担当)
宮沢香織さん
書店店頭の販促物、ウェブサイトやSNSの運営、広告・宣伝、イベント監修など、プロモーションまわりをいろいろ担当。本と読者のつなぎ役になるべく日々奮闘中。
1936年創業の児童書専門出版社。主な出版物に『はらぺこあおむし』「ノンタン」シリーズ、『からすのパンやさん』など。
HP:https://www.kaiseisha.co.jp/
ウェブマガジン:https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/
絵本のテーマが決まる過程にはさまざまなパターンがあります。
実際に多いのは、作家との雑談から新たなテーマが生まれるケースです。「こんなこと、ありますよね?」「いま興味があることは何ですか?」などの会話からアイデアが生まれることが多いように思います。そのアイデアを子どもたちに伝わるお話にして、絵の展開を考え、絵本を作っていくという流れになります。
また編集者自身が気になっていることがある場合、そのテーマで絵本づくりができそうかを作家に相談することもあります。例えば「ごめんなさい」をテーマにした絵本をお願いしますとか、小さなお子さんがいっしょにカラダを動かせるような絵本が作れませんか?などを相談したことがあります。
今も昔も、子どもも大人も、「はじめてのことにどきどきする」「おいしいものを食べてうれしい」など、気持ちの根っこのところは変わらないと思います。それを本のなかで体感してもらえたらと考えながら作っています。
とくにあかちゃんや小さなお子さんの場合、かれらにとって絵本ははじめて出会う、「なんだかおもしろいぞ~!」という興味津々の世界です。楽しみつつ、その絵本で知った言葉、遊びや、やりとりをくらしのなかでどんどん使って親しんで、成長の糧にしてもらえたら、こんなにうれしいことはありません。
ふだん読み聞かせをしている絵本が、こんなに子どもたちのことを考えて作られているなんて知りませんでした。うちの子も絵本に出てくる言葉をよく真似しています。
『てあらいできるかな』
作・絵:きむらゆういち
『いないいないばあ あそび』などが人気のしかけがついた絵本シリーズ。ねこのミケや、こいぬのコロ、大きなかいじゅうさんなどのキャラクターが、手のひら、手の甲、指は1本ずつにぎって、順番に手を洗っていくようすをしかけで楽しく描きます。真似して手を動かせば、小さなお子さんも手洗いが楽しくできるようになるかも?
『ノンタン はみがき はーみー』
作・絵:キヨノサチコ
ノンタン絵本の特徴は「ノンタンリズム」と作者がよんでいる、声にだして楽しいノンタンことば。この絵本も「ノンタンはみがき はーみー しゅこしゅこ しゅっしゅっ」というリズミカルな言葉を繰り返しながら、楽しくはみがきをするノンタンと仲間たちが描かれます。毎日のはみがきにノンタンリズムをとりいれてみませんか?
『おふろ』
作・絵:新井洋行
シャワーを浴びて湯船に入るまでを描いた絵本。「せっけんさーん」「しゃんぷーさーん」とよぶと、せっけんやシャンプーが「はーい」と返事をします。カラダや髪を洗い、絵本の通り「はーい」と親子でやり取りすると、シャンプーのときも楽しくなるかも?作者の新井洋行さんは、お子さんが生まれてから絵本を作りはじめた元デザイナー。親子で楽しめる絵本をたくさん作っています。
シャンプーやはみがきなど、子どもが少し苦手なことを絵本で楽しく描いてくれると、とても助かります!「イヤイヤ!」と言っても、絵本を読んだ日は楽しそうに真似をしてくれて、自然に良い影響を受けてくれているなぁと思います。
『あ、あ!』
文:ねこしおり 絵:高橋和枝
あかちゃんは声を発するまでの間、お父さん、お母さん、まわりの人のたくさんの声を聞いています。そんなあかちゃんの「はじめて」のことば、「あ、あ!」がでてきたころからオススメの絵本。幼稚園やあかちゃん教室で働いた経験のある作者が、一生懸命に何かを指さす子どもの愛らしい姿を描きました。
『じゃあじゃあびりびり』
作・絵:まついのりこ
「絵本ではじめてわらった!」という声が多数のファーストブック(はじめての絵本)の人気作。まだ細かいものが見えないあかちゃんでも認識できる、はっきりとした色づかいが特徴。サイズもあかちゃんの視野にあわせて作っているんです!あかちゃんがよろこぶ擬音語や、犬や自動車など身近なものがたくさん登場するので、きっとお気に入りのページが見つかるはず。汚れがつきにくい、なめても安全な素材をつかっています。
『ボードブック はらぺこあおむし』
作:エリック・カール 訳:もりひさし
作者のエリック・カールさんは「半分絵本、半分おもちゃ」というのが好きとよく言っています。この絵本にはページに穴があいていますが、その穴に興味をもちはじめたら、もう立派な読者です! そのほかにも、あざやかな色彩、おいしい食べ物、数字や曜日など、年齢とともに変わる楽しみ方がいろいろあります。「大きくなりたい!」という子どもたちのねがいを全力で応援するストーリーです。
『はけたよはけたよ』
文:神沢利子(かんざわとしこ)
絵:西巻茅子(にしまきかやこ)
昨年刊行から50周年を迎えたロングセラーの絵本。たつくんは片足をあげてはかなければいけない、パンツがとっても苦手な子。パンツをはかずに、家を飛びだしたたつくん、しっぽのないおしりを動物たちに笑われてしまいます。やさしい色彩でのびやかに描かれた本です。がんばるたつくんを応援するうちに、子どもたちもパンツに興味を持ってくれるかもしれません!
ここで紹介した『じゃあじゃあびりびり』は我が家にもあります!いっしょに絵を指さしたり、歌いながら絵本を楽しんでいます。もう少し大きくなったら『はけたよはけたよ』も読んであげたいです。
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